【漢方・東洋医学 ②】
保険診療で処方できるのはエキス剤としての漢方です。女性によく使われる当帰芍薬散、じつは煎じ薬の「当帰芍薬散」とエキス剤の「当帰芍薬散」とでは香りが全く違います。個人的には、むかし毎日「当帰芍薬散」を煎じていて、家じゅうに煎じ薬の香りが広がることで、香りの癒し効果を感じていました。
自分に合う漢方を探す際には、まず【嗅いでみて、飲んでみて、止めてみて】が良いと思います。
① 臭いがだめで漢方が飲めない人がいらっしゃいます。こういう方には漢方は無理強いしないほうがよいと思います。
② 即効性のある漢方もありますが、数週間から数か月は続けて飲まれた方がよいと思います。というのも、漢方の効果は、すぐわかることもありますが、「そういえば、なんとなく調子いいな」くらいごく自然に感じる「良さ」もあるからです。
③ よく、「漢方なんて効いているかどうかわからない」といわれることがあります。そういう方には、「では一回止めてみますか?」と提案します。そうすると、漢方が効いている方の場合には、数か月、場合によっては数年くらい経ってから、「なんだかまた調子が悪くなってきました」とおっしゃる方がいます。漢方の効果は、そのくらいマイルドに、でも着実に効いてくれていることがあります。それは、例えば西洋薬のNSAIDsのように、「効いている感」を実感できないものもあるかもしれませんが、その支えを失ってみると、後からその効果を得ていたことをジワジワ実感するという場合があるからです。
漢方のアロマ効果!? えっ!? そんなのあるの!?という方。あります。・・・と、私は信じています。
10代の頃に、わたしが初めて漢方を飲み始めたころ、毎日 何十分もかけて漢方を煎じて飲んでいました。
麦茶をわかすような要領で、漢方を水から炊いていくのです。麦茶と異なる点は、沸騰してから、最初の水量が、1/5くらいに減るまで弱火で煮ることです。
このとき、台所から周りまで、漢方のとてもいい香がします。幼心に、その香りを嗅ぐと、とても心が落ち着き、朝から元気がでました。
じつはこれは、漢方のアロマ効果だとわたしは信じています。
現在、病院で処方される漢方のほとんどはエキス剤で、なかなかその香りを楽しむところまではいかないかもしれませんが、漢方薬局に足を踏み入れたときに ぷ~んと香る 「あの香り」。
わたし流 「体に聞く漢方」では、漢方薬局など漢方の匂いを嗅いだときに、
・嫌な気持ちがしない方。
・こころがホッとする方。
そんな方の諸症状に「漢方」は試してみる価値があると思います。
「人生、別離なくんば、たれか恩愛の重きを知らん」それが、大塚敬節先生の残されたお言葉のひとつだそうです。恩返しと恩贈り、別離は恩贈りのために大切な一歩なのだと思います。
※一部、重複するところがあるのはご容赦ください。内容は個人的な見解です。個人的な頭の整理の意味もあり書かせていただいております。