家庭医の視点を持つ産業保健活動を実践する  ~安藤労働衛生コンサルタント事務所~

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【漢方・東洋医学 ⑤】

漢方は生薬レベルで考えたほうが良い理由。


漢方には、麻黄や甘草、附子など、いくつかの気を付けなければならない生薬があります。甘草の摂取は1日6g程度まで、というのは漢方を生薬レベルでみる癖がないと、ついオーバーしてしまう危険性があります。

 

芍薬甘草湯は1日量7.5g中、6gの甘草を含んでいます。つまり、芍薬甘草湯を1日量処方してしまうと、ほかの漢方を追加することはほぼできないという状況になります。

 

甘草は、甘いため、種々の苦い漢方の味を調えるために大変よくつかわれる生薬の一つです。近年、外来でも2種類以上の漢方が併用されていることがあるのですが、漢方にあまり慣れていない若い先生方には、そのあたりを意識していただけるように伝えていきたいと思います。

 

とはいえ、私もかつて附子中毒でひどい目に合ったことがあります。附子の用量の基準は0.5~1g/日とされており、用量を守ることの大切さを痛感した出来事でした。

 

最後に、日本東洋医学学会の専門医を取得するか否かについては、個人の考えを優先するでいいように、私自身は感じています。漢方診療を生業とする場合には、持っていた方がよいと思いますが、「人の役に立つために漢方を生かす」という視点からは、必ずしも「資格」は必要無いように思うからです。日本東洋医学学会の皆様からは、おしかりをいがだくかもしれませんが、「漢方」は、それが合う人には、「人生を変えるほどの威力がある」と私自身は思っていますが、人の役に立つためには「それで充分」とはいえないように思います。人は一生学び続けることが大切!私自身の軸でもあります。皆様の東洋医学への学びを心から応援いたします!

 

漢方は合う人にとっては、その人の人生を変えるほどの影響力があると思います。ぜひ、漢方を必要とする方の人生を漢方でサポートしてあげて頂きたいと思います。

 

末尾に、私自身が漢方を勉強させていただいた施設をご紹介させていただきます。

北里大学東洋医学総合研究所 (kitasato-u.ac.jp)
②井齋偉矢先生がいらっしゃったころの静内病院、現在はこちらのサイトが参考になると思います。

https://www.skillup-mt.jp/kanpo/index.html

 

「人生、別離なくんば、たれか恩愛の重きを知らん」それが、大塚敬節先生の残されたお言葉のひとつだそうです。恩返しと恩贈り、別離は恩贈りのために大切な一歩なのだと思います。


※一部、重複するところがあるのはご容赦ください。内容は個人的な見解です。個人的な頭の整理の意味もあり書かせていただいております。